大判例

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鹿児島家庭裁判所 事件番号不詳 判決

本籍 福岡県八女郡水田村大字若菜一六四五番地の二

住居 鹿児島市小川町一二五番地

飮食店よしえこと 橋本ヨシヱ

明治四十四年十月三日生

主文

被告人を懲役三月に処する。

但本裁判確定の日から三年間刑の執行を猶予する。

理由

被告人は鹿児島市小川町一二五番地に於て飮食店を営むものであるが、昭和二十八年八月十七日頃から同年九月十四日頃までの間右飮食店において児童である女中○子こと木○智○子(昭和十年十一月十一日生)をして男客多数と淫行せしめたものである。

右の事実は

一、木○智○子の身上調書

一、木○智○子の司法警察員に対する供述調書

一、被告人の司法警察員(二回)及検察官に対する供述調書

を綜合して認定する。

法律に照すと判示被告人の所為は児童福祉法第六十条第一項第三十四条第一項第六号に該当するから懲役刑を選択しその刑期の範囲内に於て被告人を懲役三月に処すべく、尚情状により刑法第二十五条を適用して本裁判確定の日から三年間刑の執行を猶予すべきものとする。

弁護人は本件訴因は淫行の相手方の氏名を明かにせず又多数と記載しているから不定であり不適法であると抗争するが凡そ訴因は法律上事実上出来るだけ具体的に明示し審判の対照を明確にし被告人の防禦方法に困難を生ぜしめざる程度に記載すべきものであるが、本件に於ては犯罪の日時場所方法及び相手方を記載するも相手方の氏名を明示せられざるに過ぎず被告人が未成年者木○智○子に淫行せしめた事実については何等同一認識を欠く記載であるとは認められない。又本件は包括一罪として処断するのであるから個数を明確にする必要はない従つて訴因不定の抗弁は之を排斥し主文の如く判決する。

(裁判官 岩野稔)

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